カレー沢薫先生 キャバクラ

カレー沢薫先生 キャバクラ

みなさん「キャバ嬢になろう」と思ったことがあるだろうか、私はない。

理由は28億個ほどあるが、まず一つ目は「キャバ嬢向きのデザイン」で生まれてこなかったからだ、それ以前に「地球向けのデザインでもない」のだが、特にキャバ嬢には向いてないフビジュアルをしている。

そして二つ目にして最大の理由は、キャバ嬢は「究極の接客業」というイメージがあるからだ。

つまり「容姿」と「コミュ力」という、私が最も勝負してはいけない土俵が合体した場がキャバクラなのである。

それに比べたら「怪しそう」とか「怖そう」とかいう点はどうでもいい、そもそも怪しさで言ったら自分のような漫画家とかライターの方がよほど得体が知れない、自分でもどうやって食っているのかよくわからないぐらいだ、怖すぎる。

そんな土俵で毎夜、番付を張り合っているキャバ嬢と言う名の力士とは一体どんな女たちなのだろうか。

まず、キャバ嬢に「YOUはどうしてにキャバクラに?」とアンケートを取ったところ100人中13億人が「金のため」と回答している。

もはやこんな質問をした方が悪い。

もちろん、金を稼ぐ術はパン工場のサンドイッチ班ピクルス係などたくさんあるが、キャバクラの魅力はとにかく「短時間高収入」なところである、よってキャバ嬢になるほとんどの者が「高時給」に魅かれてきている、つまり金のためだ。

だが、キャバ嬢のみならず、労働者のほとんどが「金のため」に働いているだろう、それ以外がいたら逆に怖いので関わりたくない。だが日本は「動機は金」を嫌う国なので、思っていても口には出さないのを良しとされているのだ。

しかし、キャバ嬢に関しては、「金欲しい力」が強い女ほど、良いキャバ嬢になると言われている。

何故ならキャバ嬢には時給とは別に、指名料や延長料、ドリンク代など歩合で給料がつくのだ、つまり接客をがんばれば、がんばるほど得られる金が増えるのである。「これぐらいもらえればいいや」と思っている女より「もっと欲しい」と思っている女の方がキャバ嬢として強くなるのは道理である。

つまりキャバ嬢というのは全員金が欲しい奴が集まっているがその中でもより「金欲しい力」が高い奴が上に行く世界、ということだ、ドラゴンボールみたいでわかりやすくて良い。

しかし、たくさん稼げるイメージで入店したのに、稼げるどころか自腹が多くてマイナスになってしまうのではという心配もある

ちなみにキャバ嬢の時給は、歌舞伎町で4,000円、地方になると3,000円、2,000円とかなりバラつきはあるが、我が村のコンビニの時給が780円なことを考えるとかなり高額である。

むしろ1回そんな時給で働いたら二度とコンビニで働けなくなりそうで怖い。

これは、指名客がつこうがつかなかろうが、店に「存在」するだけでもらえる給料である、ヘアセット代(店負担もあり1回1,000円程度)やドレス(店内貸出しているところもあり)が自腹としてもそこまで大きく赤が出るとは思えない。

キャバ嬢が着ているドレスというのは、本当にキャバ嬢がキャバクラで着るためだけに作られた「キャバ着」なのだそうだ、ある意味「制服アリ」の職場と言っても良い。

ちなみにキャバ嬢の男版がホスト、と思われがちだが実態は大分違うようである。

簡単にいうと、ホストは時給が安く、その分歩合が大きく設定されているという。

つまり、稼げないホストはサンドイッチ班ピクルス係として働いた方がマシなぐらい稼げてなくて、逆に稼いでいるやつはパン工場ごと買えるほど稼いでいるということである。

その点キャバ嬢は、時給自体が高いため、客がそんなにつかなくても他のバイトよりは稼げる、だがその分ホストより「一攫千金」な職業ではないということだ。

リスクがそんなに高くなくて、いるだけで高い時給が貰えるなら、ぜひ働きたいと思うところだが、当然、店側だっていつまでも指名がない嬢を在籍させたりしないだろう。

それ以前に当然「面接」がある。

面接でどこを見られるかというとまず「ルックス」だそうだ。「ですよね」と言う他ない。

必ずしも絶世の美女である必要はないようだが「地球向けでない顔」では若干厳しいだろう、年齢も30過ぎで未経験は難しいという。

また大人っぽい雰囲気の店に、ロリ顔が行くと不採用になるなど「店の雰囲気に見合わないルックス」でも不採用になるらしい。

それを考えれば世の中には「熟女キャバ」「デブ専キャバ」「地球外生命体キャバ」などもあるだろうから、自分のルックスにあった場所を選べばワンチャンあるだろう。

だが、入店後、大事なのはルックスよりも「接客」だそうだ、とにかく客を持ち上げいい気分にさせるのがキャバ嬢の仕事である。時には自分が客に対し好意を持っているように思わせる「色恋営業」も必要となってくる。キャバ嬢は「究極の接客業」というイメージもあながち間違いではないし、そこからトラブルになる危険がないわけではない

しかし、金は時間をかけて苦労して得なければいけないというものでもない、若くてルックスが良くて、酒も男と話すのも苦ではないというなら、今すぐピクルス係はやめてキャバクラで働くことを考えた方が効率的かもしれない。