まだここにない出会い

まだここにない出会い

先日スポーティーな生い立ちで紹介した通り、私の人生年表の前半は特筆すべきことは何もなく、後半は笑えるほど大きなイベントであふれている。ほとんど自慢できることがない人生だが1点だけ自慢できることがあるとすれば、「高卒でリクルートキャリアに入社できた」ということである。入社式で同期になる人と話すと東大、京大、神大、阪大、または有名私立大学出身者も多かった。「高卒です」といった瞬間、時が止まったかのように静まり返ってしまったので申し訳なかった。

最終面接の当日、東京は大雪だったらしく面接担当者は雪でスーツがぐっしょぐしょになってしまったらしくセーターにチノパンで登場した。私は恥ずかしながらリクルートキャリアという会社が何をしている会社かも知らずに面接を受けていた。二次面接では「何か質問はありますか?」との問いに「何もありません!」と元気よく答え、面接官を「え?今から働くかもしれない会社だよね?何も聞きたいことはないの?」と大いに困惑させた。それでも「はい!特にありません!」と不必要にでかい声で答えたので、二次面接担当者はちょっと笑っていた。

最終面接担当者は大雪と、連日の長期移動で疲労困憊だったのだろう。もしくは、ガラスの仮面で「嵐が丘」の原作も読まずにオーディションに臨んだ北島マヤに「真っ白な可能性を感じた」と言っていた人物のように、知識も経験も常識も器量もないが頑張ってくれるかもしれないと謎のポテンシャルを感じてくれたのかもしれない。いまだになぜ面接に受かったのかわからない。しかも入社後の研修で「リーマンショックとは?」と聞かれて「サラリーマンがいっぱいクビになったことですか?」と答えて研修担当者を失笑させた。ボケたつもりはなく、私はリーマンショックというものが何なのか知らなかった。ちなみに、リクルートキャリアに入社するまでは、「商社」「営業」「製造」というものが一体どんな仕事をするものなのかも知らなかった。

私はこのようにヒト科ヒト属ヒト・メス/特徴:愚か というような感じだが同期は皆とてつもなく優秀だった。もちろん人間合う、合わないがある為好き嫌いで分けると、次にあったときはお前スチェンカでぼっこぼこにしてやるからな!と思う相手もいるが、皆きちんと将来やりたいこと(これを社内ではビジョンというしゃらくさい言い方をしていた)がはっきりしていた。同期にも恵まれていたし、私が恐ろしく仕事ができないという点を除けば大変良い職場であった。

さらに言えば、私の配属された部署にはイケメンが2人いた。正直イケメンのご尊顔を拝むために会社に行っていたといっても過言ではない。

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私はズバ抜けて仕事ができなかった為、仕事自体は苦痛だったがイケメン×2と同じ空間にいるという事実が「休んでたまるか」というモチベーションになっていた。ただの水でもイケメンの顔を見ながら飲むだけで、それは富士山麓の湧き水と同じ効果があり、またイケメンの近くにいるだけでイライラが軽減され運気があがったような気がする為、イケメン=パワースポットと捉えて良いだろう。私がパワースポットにうつつを抜かしている間に同期、中でも美人のCちゃんがとてつもなく成果を出し始めた。普通の人間ならここで焦るのだろうが、こちらは年季の入ったクズなので「Cちゃんはすげえな、同期として鼻が高いぜ」と謎の余裕を見せ、毎週定例会議で怒られていた。今の私を表すのは「骨の髄まで役立たず」という言葉だが、当時の私は「完璧主義の怠け者」であった。完璧にできないのであれば最初からやらない、というダメなほうの完璧主義だったので営業成績は常にどん底だったし、定例会議では激詰めされていたが人間性を否定するような人はいなかった。つくづく一緒に働く人間に恵まれていたと感じる。

なぜこんなブログを書いているかというと、今の20代の若者が仕事に対してあまりにも真面目だからである。私は大学中退者でその後フリーターをしたりなんだりしていたので、ちゃんとした就活というものを経験していない。ESなんて1枚も書いたこともないし、企業説明会というものにも行ったことがない。しかもリクルートキャリアに入社した時は確か25歳くらいだったが社歴が既に5社目とかそのくらいだった気がする。現在はハイパーエグゼクティブニートの為、1日のほとんどをTwitterを眺めて過ごしているが「休んではいけない」「辛くても我慢しなければいけない」「職歴が増えるのが嫌だから、限界まで我慢して働く」というようなツイートを見ることがある。また「何社受けても通らない」「自分には価値がないのではないか」「どうしても大手で働きたいのに受からない」と嘆いている学生の姿もよく見る。

気持ちはわかる

気持ちはわかる。わかる気持ち山のごとし、山が連なって山脈になっているくらい気持ちはわかる。ただ仕事は休んでも良いし、辛ければ我慢しなくても良い。自分が休むことで回りに迷惑がかかってしまって申し訳ないと感じているのであればあなたは人間的に100点だ。だが、あなたの周りの人間が1日も休まない保証はない。つまり誰でもいつでも休んでも良いのである。また限界まで我慢するとどうなるかというともれなくメンのヘルが壊れる。メンのヘルが壊れると「精神的に弱い」と言う輩も出てくるが勝手に言わせておけば良い。メンのヘルが壊れるのは精神的な病というよりも、脳がうまく機能していないことも多い為気力でどうにかなるものではないのだ。それを「精神的に弱い」という輩は情弱なので「ggrks」と5文字だけ返答すれば十分である。

また、「何社受けてもうからない」というが多分あなたは悪くないし、受けた会社も悪くない。誰も悪くないのにうまくいかないということはよくあることである。自分が渡ろうとすると赤信号になる、という現象が10回続いたとして自分にも信号にも非はない。タイミングや交通量、その日の自分の歩幅やコンディションなど諸々の事情が絡み合ってそうなっただけである。ただ中には履歴書を投げたり、鼻で笑ってくる面接担当者もいる。面接中は腹もたつだろうが、受からなくてラッキーだし仮に受かったとしてもあなたには華麗に断る権利がある。「あなたのように履歴書で放物線を描く自信がないので謹んでお断りします」と言えばスマートであろう。

また、職歴が多いと確かに不利だ。それは間違いない。20歳そこらでこれまで15人と付き合ってきました!でも私、付き合った相手には一途だし振られてもなかなか好きな人を忘れられません!とプレゼンされてもなかなか信用できないだろう。同様に私レベルの職歴過多になると「どうせすぐやめるんでしょ?」と思われることが多い。辞めたくて我慢できない、1日も会社に行きたくないという状態であればいきなり辞めずに休職という手もある。休職中に転職活動をしても良いし、リフレッシュしても良いのだ。「続けるか、辞めるか」という2択ではないということを念頭においてほしい。また、会社に受からない、仕事ができないからと言って自分に価値がないというのは大きな間違いである。会社に受からないというのは前述の通り、様々な要因が考えられる。さらに言うと仕事ができないというのはあなたの思い込みである。赤ちゃんだってしゃべり始めるのが早い子や、立ち上がるのが早い子がいる。私は比較的早く立ち上がったが、ハイハイの期間が短かったせいか足腰が弱く、何もないところですぐにすっころぶようになってしまった。とんだ弊害である。仕事ができるというのも「仕事に慣れる」のが早いか遅いかの問題であり、ハイハイの期間があまりにも短いと後々すっころぶことが多いといような弊害が起こる可能性も高い。足腰を鍛えている時間が多少長いだけで、立ち上がった後は誰よりも安定感のある歩行をみせることができるのだ。

でもお前ニートじゃん

えらそうなことを言ったが、「でもお前ニートじゃん」「説得力なさすぎワロタ」と思われるかもしれない。しかし前述の私の同期、美人のCちゃんも今の就活には思うところがあるらしい。Cちゃんは本職は別にあるが、学生の就活をより良いものにしようと個人で活動しているらしくESの添削や学生さんとの面談を行っている。ちなみにCちゃんは、私の営業成績が地を這っている中、何度も表彰され、グループリーダーにも抜擢され、自分のチームまで表彰されるという優秀っぷりである。もし、今就活や転職に悩んでいる方がいたら @bln49980  へ相談してみてほしい。

ちなみに、私はリクルートキャリア自体は好きでも嫌いでもない。たまたま配属された部署が良い環境だったので、一緒に働いていた人のことは好意的に見ているというだけである。あれがリクルートでなくてもあのメンバーであれば充実した日々を送れていたと感じるが、いかんせん無能だった為1年半ほどで辞めてしまった。当時、あの1年半がハイハイの期間であると認識できていればもう少し長く続けられていたかもしれないが今より少しだけ若かったこともありそこまでの余裕がなかった。今後もしまたどこかの会社で働くことになるのであれば高橋一生と岡田将生と大泉洋と大塚明夫というジャンルの違う4大パワースポットのある部署で働きたい。そんな環境が見つからないので今日も私はハイパーエグゼクティブなニートである。